主婦まっしぐら

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【本:対岸の彼女】あらすじ&親友から教わったこと

   

2014-10-07 13.50.50 HDR
【対岸の彼女】 作者:角田光代 2004年発行 直木賞受賞作

角田光代さんの本は、「八日目の蝉 (中公文庫)」くらいしか読んだことがなかったので読んでみた。

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目次
あらすじ(ネタバレなし)
印象に残った言葉
私の人生を変えた出会い
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あらすじ(ネタバレなし)

物語は、2つの物語を行ったり来たりしながら進んで行く。

専業主婦、小夜子の物語

主人公は、夫”修二”との間に3歳の娘”あかり”を抱える主婦の”小夜子”。小夜子は人づきあいが苦手で、公園に行ってもあかりに友達を作ってあげることもできず、そんな自分が嫌いだった。

仕事を始めれば何かが変わるのでは?と思い、探して探して受かった職場は、小夜子と同い年の女性社長”葵”が経営している旅行会社だった。葵の会社が、これから掃除事業を始めたいからと、お掃除係として雇われたが、子育てや家庭のことでは思うようにいかないことが増えたり、逆に苦手だった人づきあいが問題なくできている自分に驚いたりと成長していく。

そんな環境の中で描かれる専業主婦と女性社長である未婚女性の話。注目なのは、女性社長の葵も中学生の頃にいじめられた経験があり、あかりと同じような人づきあいの悩みを抱えていた経験があること。

やがて女性社長になる葵の高校生時代の物語

葵は中学生の頃にいじめられ、高校入学と共に母親の実家の方に引越をしてきた、人づきあいが苦手な少女だった。そんな葵が高校に入学して出会ったのは、友達のグループには属さず一人でいるのも平気なナナコ。

葵は、友達から嫌われ仲間はずれにされるのを怖がるため、学校では全くナナコに関わろうとしないが、放課後はいつも2人で一緒に過ごしていた。その後、ナナコがいじめの対象になるが、ナナコは学校で葵が話かけてこないことを嫌がる風でもなく、逆に葵もいじめられてしまわないようにと気を使い、葵はそんなナナコを羨ましく思っていた。

葵はナナコの性格の良さから、ナナコは幸せいっぱいの家庭で育ったのだろうと想像していたが、現実はそうではなかった。高校2年生の夏に、二人でペンションに泊まりがけでバイトに行くことになり、最後の日、ナナコが「帰りたくない…」と言ったのをきっかけに二人は逃亡することになる……
 

印象に残った言葉

働きはじめればすべてがうまくいくとあのときたしかに思ったはずなのだが、しかし本当にそうなのだろうかと、薄汚れた換気扇を湯にしずめて小夜子は思う。仕事内容はどうやら清掃業務らしい、と先日説明したとき、「なんだ、お掃除おばさんってわけか」と、小夜子には馬鹿にしていると聞こえる口調で修二は言った。かちんときたが、実際お掃除おばさんだ。だれが使ったんだかわからない五徳や流しを磨き上げて、義母にはうんざりするほど嫌みをあびせられ、ひょっとして今このときあかりは大泣きしているかもしれず、これで本当に何かがうまくいったりするんだろうか。(P45)

これは、私も日々、「これでイイのかなぁ?」と問答しているので、共感した言葉。きっと、子どもがいる働き始めた主婦なら、誰でも一度は思うことだと思う。

家のなかは整頓され、手作りの料理が並び、引き出しにはアイロン済みの衣類が入っているその状態が、修二にとっては当然の、ゼロ地点なのだ。何かひとつでもおかしなことがあればそれはただちにマイナスになる。どれだけせわしくなく動いたって、どれほど家族を気遣ったって、それは足し算ではなくかけ算で、何をゼロにかけたってプラスになることは決してないのだ。(P175)

私も最近、これ↑思っていたので、ひどく共感した。要は、世の中の旦那さんは、家事をしてくれる奥さんにもっと感謝した方が奥さんの機嫌が良くなるよ!という話。
 

私の人生を変えた出会い

「私はさ、まわりに子どもがいないから、成長過程に及ぼす影響とかそういうのはわかんない、けどさ、ひとりでいるのがこわくなるようなたくさんの友達よりも、ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる何かと出会うことのほうが、うんと大事な気が、今になってするんだよね」(P97)

私が高校生の頃に旦那さんに出会ったのも人生を変えた出会いの一つだけれど、高校入学と同時にもう一つ大きな出会いがあった。40人中33人が男子の理系のクラスの中に、一人、色が白くて可愛い子がいた。それが、今や私の特別な人で、友達の話になると絶対欠かせない存在の一人。

入学早々、「友達になりたいー!」と思った私は、めちゃくちゃ話しかけたが、暖簾に腕押しとはこのことかい?と思うくらい、張り合いがなかった。でもそれはどうやら私に対してだけではなく、みんなに対してだった模様。その子はいつも「友達なんて、離ればなれになったら終わっちゃうものだし、私が一番大切なのは、家族と、医者になることだ」と言っていた。でも、幸いにも(?)私のクラスは3年間クラス替えがない特別学級だったので、私は3年間、その子にまとわりついた。何かある度に、「聞いてー!」とくっつきまわった。

彼女が持つ友達感

そんな彼女がある日言った言葉。
「私は、いつもベタベタ一緒にいて何でもかんでも話合うのが友達だとは思わない。離れていたって、お互いに大切な存在だと思っていれば友達なんだよ」

もちろん、高校生の私には全然「意味わかんねーよ」という状況だったけど、彼女とは、今ではお互いの誕生日にメールして、年始に私が実家に帰った時に1度会うだけだけど、今はちょっと言っていたことがわかる気がする。

彼女が教えてくれた大切なこと

なんだか少しややこしいんだけど、彼女とよさく(私の旦那さん)は小学校から一緒で、小学校6年生の時、二人は両想いだったとかなんとかと聞いたことがある。その後、私が、よさくと付き合うことになった時、彼女に「私、よさくと付き合うことになりまして…」と報告したらこんなことを言われた。

「ひとつだけ、教えてあげる。世の中には、可愛い子も性格がイイ子も巨万といるよね?でも、面白い女を目指している人は少ないから、よさくと長く付き合いたいんだったら面白い子、他の子とは違う女を目指しなさい。例えば、クリスマスプレゼントでアジの開きをプレゼントするような女かな。」

彼女がどこまで本気だったのかわからないけれど、彼女のことを尊敬し大好きだった世間知らずな私は、「えっ?!面白い女にならなきゃダメなの?!………っていうか、それって面白いの?」という若干の不安を抱えつつ、面白い女について研究した高校生時代。

私は忘れない。付き合い始めて3ヶ月後くらいによさくが言った。「……陽子って、そんなキャラだっけ?なんか最近、お笑い系じゃね?」と……。

おかげで私たち、結婚できました(´・ω・`)
 
 

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帯やら新聞広告では「子を持つ女とそうでない女」の対立?みたいに書かれていたが全然違うと思った(いい意味で)。
確かに今、三十路半ば、兼業主婦ただしパート、子供1人のみ、のある意味小夜子そっくりの私に友人と呼べる人がいなくなっていることに気づく。
日々の家事、育児、仕事、雑事に忙殺されている。友達と呼べた人がまったくいなかったわけではない。だけど彼女らはかつてのナナコのように遠い存在、連絡すらとれないものが多いのだ。
家庭という殻の中で、ママ友という名の仮想友人?に囲まれた小夜子みたいな主婦はたくさんいると思う。
そしてまた葵のようなひともきっといると私は思いたい。「なんのために年を重ねるのか」と小夜子や葵のように自問しながら、もしかしたら逢えないかも知れない、そんな稀有な、存在を求めて、生きていくのかなあと切なくなった。
恋人を見つけるよりも、夫を見つけるのよりも、ずっとずっと、友達を見つけることのほうが難しいと感じるこの頃の思いに、この本はすこしでも支えになってくれた。

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